ハチミツ×シュガー



 ホームルームも終わり、私は帰る準備をして席を立った。


「楓!今日デートになったからまたね♪
 帰り気をつけてね〜!」

「うん。また明日!」



 真弓にバイバイと手を振った時。


「如月、今日何かある?」


 隣の斉藤君が、笑顔で聞いてきた。



「あっ え、と――…
 ごめんなさい……今日は」


 ……なんて言おう。

 私がどう断ろうか、頭をフル回転している時。


「別に用があるならいいんだ。また今度誘うよ。

 じゃあ、また明日な!」


 私の答えを聞く前に、斉藤くんはニッコリ笑って手を上げてくれた。



「――ごめんっ!
 また今度誘って?」


 申し訳なかったけど、それを見て、私も手を振り返した。





「…チッ」



 ――舌打ち。


 振り返ると、すごい形相で私を睨む西城くんがいた。


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