ハチミツ×シュガー




「……斉藤は」



「え?」



 斉藤くん…?



「いや、何でもない」


 途中で止めた言葉が気になって、私が見上げたけど……西城くんは私と目が合うと、苦笑いを浮かべた。



 ―――?




「……如月。

 俺はもう、逃がしてやれないから」



 ……えっ それはっ!



「全力で逃げさせてくだ」
「却下」




 ――早っ!



 私の拒否の言葉を完全に被せてニヤリと笑うと、今日何度目かの唇にチュッとした。




「……覚悟しろよ」




 もしかして……このままオオカミさんに食べられちゃうの?




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