ハチミツ×シュガー
『……分かった。早くこっちに向かってこい』
ピッ
皇との通話が切れて、心の底から安堵した。
――が。
「はぁ……――っていうか、ちょっと!
ふざけるのやめてよっ」
携帯を握り締め、後ろを振り向きながら抗議すると、西城くんは激甘な微笑みで、
「俺以外の野郎と話してるのが悪い」
……なんて。
「はぁ…もう、いい」
――もう、何を言っても無駄だわ……。
とりあえず皇が迎えに来るから早く帰らなきゃ。
バックに携帯を仕舞って…
「西城くん、私帰らないと」
「……如月が迎えに来るんだろ?
校門まで送る」
そう言うと、何事もなかったかのように彼はまたもや私の手を引き、校門までの道のりを歩いた。
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