ハチミツ×シュガー



 ……どうしよう。


 この間の事、謝った方がいいよね。





 私の、少し前を歩く西城くん。


 私より30センチ程高い身長。
 栗色の髪が街灯の光を受けて、暗闇を照らしてる。

 ……後ろ姿でさえ綺麗だ。




「西城くん…」

「ん?」


 私の小さな声に、少し振り返り、首を傾けた彼。



「あの、この間の…事なんだけど…

 ――ごめんなさいっ!」



 立ち止まり、手は繋いだまま、勢い良く頭を下げた。



「あの時『迷惑』って言ったのは……西城くんの事じゃなくて、私の事だったの。

 ……誤解させて…」


 ――『ごめんなさい』とは、言えなかった。




 だって……


 西城くんに力いっぱい抱き締められて……

 言えるわけ無い――



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