ハチミツ×シュガー



「楓、行くぞ」

「はい…っ!」



 いつもよりも早く起きたはずなのに……何故か、今は時間ギリギリで。

 準備万端な皇に急かされながら、家中かけまわり準備を終えて玄関に行くと……


「……遅い」

 待ちくたびれて機嫌の悪い皇が、玄関にもたれ掛かっていた。



「ごめんごめんっ」


 その姿に、慌ててローファーを履き、二人一緒にドアから出た。




 エレベーターに乗り込み、中にある姿見で髪を整える私。



「楓、なんだか痩せたか?」

「えっ! そ、そうかな?」



 いきなりの言葉に気づかないフリをしちゃったけど……。

 本当は、少し痩せたんだ。



 最近食事がのどを通らなくて。気付いたらスカートはスカスカになってて、何だか顔周りもスッキリした。


 ……それでも、まだポッチャリのままだけど。



 身長150センチに対して、体重56キロだったのが……今では50キロ。



 食欲不振て、幸せだわ。



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