ハチミツ×シュガー



「なぁ。この本ってここでしか読めないの?」

「そうゆうわけでは無いけど……」

「ならどうしてこんなに通うの?」


「……この空間が、好きなの」



「ふーん」



 今日読む本を選んでいると、彼は暇なのか、興味がないくせに色々聞いてきた。

 私が答えても、結果、どうでもいいような返事だし。


 もしかして、機嫌悪いの?




 外は、昼まで降っていた雨が上がって、曇り空。


 やっと見つけた本を取って、席に戻った。

 隣の西城くんは、席に着くなりうつ伏せで眠りにつこうとしてる。



 私は彼のそんな姿に、自然な笑顔が出た。






 そのまま本を読み進めていく。


 隣の寝息が、心地良く聞こえてきた。



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