ハチミツ×シュガー



 *******



「ん―――っ…」


 ずっと同じ姿でいたせいか、背中が痛い。

 座ったまま腕を上へ伸ばす。




 隣の西城くんは、相変わらず気持ち良さそうに眠っている。









「ふぅ…」



カタン…


 彼を起こさないよう、静かに立ち上がり、席の後ろにある窓を全開にした。

 校庭では、サッカー部と野球部が後片づけをしてる。



 あ……


「斉藤、くん…?」



 小さくてハッキリとは見えないけど、野球のユニフォームを着て、ボールやバットを持ち何かを叫んでいた。



「ふふっ」


 彼は、やっぱり野球が好きなんだね。





「あっ」


 不意に、見上げた彼。


 ずっとこちらを見たまま。




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