ハチミツ×シュガー



「えっ ――ちょっと!


 ……あぁぁぁぁああっ」


 ……斉藤くんは私を無視してそのまま部室に入ってしまった。




「……どうしよ」


「あんた、本当バカ」


 私が手すりに掴まりヘコんでる所に、更に追い打ちをかける西城くん。



「……酷い」


「酷いのはどっちだよ」


 西城くんは席を立ち、本棚の奥に行ってしまう。

 私も本を持って、慌てて追いかけた。







 奥の本棚に着くと、壁に寄りかかり、腕を組んで立ってる彼がいた。



 ……威圧的過ぎるよ。


 私は恐くて彼を見れなくて……俯いて前を通り過ぎて。

 お互い何も話さずに、静かに本を元の場所に戻した。




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