ハチミツ×シュガー



 新緑の季節の今、陽が傾くのはまだ早い。



 でなくとも、曇り空。
 下駄箱で待っている間に空は真っ暗になっていた。


 部活が終わった人達がパラパラ帰る中、こちらに走ってくる男の子がいた。



「お待たせ!
 ごめん、反省会が長引いちゃっ、て…?」


 その男子は元から大きい瞳を更に大きくして、私の後ろにいる人物を見た。


「えっ? 彼方…?
 何で……」


 物凄く、困惑してる。



「お疲れさん。
 俺も一緒に帰るから」

 ニヤリと笑って斉藤くんを見る西城くん。
 背を向けてる私には、その表情が分からない。



「図書室で一緒になったんだ。
 いいかな…?」

 困惑の表情のままの斉藤くんに、私は見上げて聞いてみた。



「ああ、別に大丈夫だよ」


 私の気のせいだったのかな……?

 普通に、いつもの笑顔で答えた彼。



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