ハチミツ×シュガー



「彼方と如月の組み合わせって、珍しいな」


 斉藤くんがポツリと零した。



「うん。確かにそうだよね」

 私も苦笑いで答える。



 私を中心に、右に斉藤くん。左に西城くん。

 西城くんは少し前を歩いてる。



 その後ろ姿を見ながら、言いづらそうに私を見た斉藤くん。



「なんか、前に喧嘩してたみたいだからさ……」


「ああ。あれは、俺の勘違いだったんだ」


『な?如月』とこちらに振り向いて西城くんは言う。



「……うん」


「ふーん。そうだったんだ」


 珍しく表情なく、興味なさげに話を聞いてるみたいな斉藤くんに、私は首を傾げる。




「――てかさ。前から聞きたかったんだけど……

 放課後、図書室の窓からよく見てたよな」


 斉藤くんはふわりと笑いながら、私に聞いてきた。



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