ハチミツ×シュガー



 ……それって…



「やっぱり変なんだね」

「――っ 違う!」


 私が少し落ち込んで俯いた次の瞬間。隣の西城くんが私の腕を掴んだ。

 そしてあと数センチという所まで顔を近づけると、


「そんな風に変わって…誰の、ため?」



 彼の息が私の唇に吹きかかり……茶色の、ビー玉のような瞳が、私を射抜くように見つめる。



「誰のって……」



 私は恐くなって固まってしまった。


 目を逸らせない。




「……ねぇ。誰に見せたかったの?」



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