ハチミツ×シュガー
帰りの駅で皇が切符を買いに行ってる中、私はぼんやりと待っていた。
すると……
「ねぇ、お姉さん」
私の腕を掴んで、男の人が話しかけてきた。
「え…?」
半袖だから、肌が直に触れて気持ち悪い。
声をかけてきた人は明らかにチャラそうな人で。アクセサリーをいっぱいつけた、腰パンの今時の若者だった。
「お姉さん、これからどっか行くの?
暇なら俺とデートしてよ」
突然の事に、声がうまく出ない。
ニッと笑った彼は、多分格好いい人になるんだと思う。
……でも…。
「あ、の…っ」
――怖い。
今までこんな風に声をかけられた事が無いから。
私はどうしていいか分からず、ただ固まってしまってる。
――そんな中。
「楓……?」
私を救う声が聞こえた。
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