ハチミツ×シュガー
「急に他の奴らに笑顔ホイホイ向けて」
見つめていても、感情の読めない彼。
「そんなに他の奴にも好かれたいの?」
「そんな事っ」
「――あんたは、俺だけを見てればいい」
私の頬に手を寄せた西城くん。
私はなぜか泣きそうになってしまって……俯いてしまった。
いつからだろう。
彼を思うと、胸が苦しくなったのは。
いつからだろう。
彼の声を聞くと、泣きたくなるのは。
私の全てが狂わされる。
ただのクラスメイトだった。
その他大勢の中の、一人だった。
それがこんなにも、
……愛しい……。
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