ハチミツ×シュガー





 机にパタパタと、雫が落ちる。




 忘れなきゃ、ダメ。


 彼とは住む世界が違うんだから。





 私はそのまま本を読もうとするけど……


 こんな状態で、本なんて読めるはずもない。





「――今日は帰ろ…」



 諦めて本を閉じると、そのままさっき通った道を進んだ。


 突き当たりの本棚につくと、本を持ちそのまま差し入れようと手を伸ばした、その時。



「如月」



 大きい手が、私の手を覆った。




「あ……っ」




 ――西城くん…っ




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