ハチミツ×シュガー





「「……どうもすみませんでした」」



 ふざけすぎて余程うるさかったのか、図書委員の人に怒られてしまった。

 気まずかったので、私はそのまま帰る事にした。




「もう!斉藤くんがふざけるから」

「ちげぇよ。如月の声がデカすぎたんだよ」


 言いながら、二人顔を見合わせると、また笑った。






 廊下は夏のせいか、西日がまだ強い。



「暑いね」

「あぁ〜っ 校庭戻りたくねぇぇぇえ!」

「あははっ 確かに戻りたくないよね」



 放課後の廊下は、シン…としていて。

 私達二人の足音と、話し声だけが響いていた。




「如月…」




 私の名を呼んで、一向にそれ以上話さない斉藤くん。

 私は彼を見て、「何?」と聞き返すけど。彼は足を止めて、そのまま視線を足元に持っていくだけ。



< 255 / 771 >

この作品をシェア

pagetop