ハチミツ×シュガー
「「……どうもすみませんでした」」
ふざけすぎて余程うるさかったのか、図書委員の人に怒られてしまった。
気まずかったので、私はそのまま帰る事にした。
「もう!斉藤くんがふざけるから」
「ちげぇよ。如月の声がデカすぎたんだよ」
言いながら、二人顔を見合わせると、また笑った。
廊下は夏のせいか、西日がまだ強い。
「暑いね」
「あぁ〜っ 校庭戻りたくねぇぇぇえ!」
「あははっ 確かに戻りたくないよね」
放課後の廊下は、シン…としていて。
私達二人の足音と、話し声だけが響いていた。
「如月…」
私の名を呼んで、一向にそれ以上話さない斉藤くん。
私は彼を見て、「何?」と聞き返すけど。彼は足を止めて、そのまま視線を足元に持っていくだけ。
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