ハチミツ×シュガー




「……どうしたの?」


 私は俯いている斉藤くんを覗き込むように見上げた。



「――っおまっ!
 ちょっ……ちけぇよっ!」

 彼はその瞬間、真っ赤な顔で勢い良く仰け反った。



「ははっ 無視するのが悪い!」


「―――っ……勘弁しろよ…」


 私がふざけて笑うと、彼は恥ずかしさからか、頭をかきながら落ち込んだ。

 その姿にまた笑って先に階段を下りるけど……

 ついてくる足音がしない。



 どうしたのかと踊場から見上げると、斉藤くんは立ち止まったまま、私を見ていた。



「斉藤くん?どうし「如月は、さ」

 私の言葉を遮って話し始めた彼。


 ……さっきの続きみたい。




「如月は……好きな奴とか、いないのか?」



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