ハチミツ×シュガー





 なんで?


 どうしてそこにいるの?



 さっき居なくなってたじゃない。

 足音だって、ちゃんと聴いたもの。



 ねぇ。何で戻ってきたの?






 聞きたいことが沢山あるのに。

 喉が詰まって声にならない。



「――っふ……っ」





「俺から逃げるなんていい度胸だな」



 彼が私に何かを言ってるけど。私は溢れる涙を止められなくて……

 ただ俯いてしまった。




「まぁ……逃がすつもり無いけど」




 彼の声が、段々近くなっていく。




< 267 / 771 >

この作品をシェア

pagetop