ハチミツ×シュガー
03
校舎の中へ入ると、何故か気持ちが落ち着いて。
少し前にいる皇の後ろ姿を見ていたら、皇がいきなり振り返り、私を見ると笑った。
皇は私の事を真弓から聞いたらしく、探していたみたい。
よく屋上なんて気付いたよね?
だって、本当は鍵がかかっているはずだから。
西城くんといい、実はみんな屋上の鍵の開け方知ってるのかな?
パシャ…
「ふぅ…。今日は疲れたな…」
バスルーム内にラベンダーの香りが漂ってる。
私は大きく深呼吸しながら、明日の学校の事を考えていた。
西城くんの罰ゲーム。
やっぱり、からかわれただけなのかな……。
――でも……
最後に見た彼の傷付いた顔が、瞼の裏で浮かんでは消えた――。
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