ハチミツ×シュガー





 部活を終えた生徒が続々と下駄箱前を通り過ぎて行く。


 その中の何人かが、こちらをチラチラ見てる。




「西城くん。いい加減笑い終わって下さい」


「ぶっ ちょ、もう、大丈ぶっふうっ!」


「もう!いい加減にしてよっ」



 さっきから一向に治まる気配のない彼に、いい加減イラっとしてしまった。



「ははっ 悪いっ!

 ああ、良く笑ったぁ!」


 大きく深呼吸をした彼が、笑顔で手を差し伸べてきた。


 私はちょっと腹が立っていたけど……それ以上に、このさり気ない彼の行動に何も言えなくなり。



 ……素直に彼の手を掴んだ。



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