ハチミツ×シュガー
あたふたしてしまって、言葉をうまく紡げない。
「…うるさい。行くぞ」
立ち止まってしまった私の手を、少し強い力で引いてゆく。
「あ、のっ
本当に大丈夫だから!」
つんのめりそうになりながらついて行くけど。
彼の歩く速度は早くなるばかり。
「……ハァ…ッ
さい、じょ、…くんっ??!!」
必死になって呼びかけたら、いきなり立ち止まった彼の背中に、顔を思い切りぶつけてしまった。
「〜〜〜っ いたたっ…」
鼻を強打してしまい、咄嗟に繋いでいた手を離してしまった。
西城くんは相変わらず黙ってる。
私は鼻をさすりながら彼を見上げると……
彼は私を、ジッと見つめていた。
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