ハチミツ×シュガー



「――ごめんなさい…。

 本当に、ここで大丈夫だから……」


 俯いたまま、彼が私の手を掴んでるのを視界に入れる。




「――分かった」


 淡々とした、いつもの声。


 不安になってしまった。

 ――怒ったの…?



 繋いでいた手を、彼が離そうと力を抜いたのが分かった。

 咄嗟に握ってしまった私。



「ははっ どうしたいんだよ」

 困ったような笑顔で私の手を握り返した。



「――ごめんっ」


 自分でもこの行動が分からなくて、慌てて離そうとしたら……彼のキレイな顔が近付いてきた。



 何をされるのか、何となく、分かる。


 ゆっくり、伏せられる目蓋。

 長い睫毛羨ましい……なんて、のんきに考えてる私。



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