ハチミツ×シュガー
14




 電気のついていない部屋の中。

 時計のカチカチ…という小さな音だけが響いていた。




 ――自分の部屋なのに、落ち着かない。




 ふと横を見ると……長い睫毛に縁取られた、皇の寝顔。


 私の体をがっしりと捕まえて、離さない。



「ん…」


 もぞもぞと、私を探す左手。

 安心させるように、トントン…とすると、穏やかな寝息が聞こえてくる。




「……大丈夫。
 私はここにいるから…」



 私の呟きが、部屋の中に溶けていった……。



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