ハチミツ×シュガー



パシャ…パシャ



 鏡に映る私の酷い顔。

 寝不足で目蓋が腫れて、顔も浮腫んでる。




「――ブサイク…」


 こんな顔を西城くんに見られるなんて……嫌だわ。


 冷たい水と熱めのお湯を交互に顔に当てて、クリームでマッサージをする。
 真弓に聞いた応急処置だけど、私には合ってるみたいで何とか目蓋の腫れは引いた。



コンコン…

「楓、もう時間無いぞ」

「あっ…すぐ行く!」


 急いで眉毛を整えて、マスカラを軽く塗ってリビングに向かった。



「いただきますっ」


 チーズトーストだったから助かった。

 ほうばりながら家を出る。
 エレベーターのドアを開けて、皇は待っててくれた。



「……行儀が悪い」

 片方の眉をピクリと動かして皇が言うけど。


「だって……お腹空いてるんだもん」


チン…

 エレベーターが一階に着いた。




< 289 / 771 >

この作品をシェア

pagetop