ハチミツ×シュガー




「おはよう」


 自動ドアが開くと、自然に皇は西城くんに挨拶をした。



「……おす」


 少し硬い表情で。
 西城くんも、ぎこちなくだけど返事を返す。



「俺は先に行くから。
 楓を頼んだ」


『じゃーな』と皇は私の頭を撫でると、自転車置き場まで行ってしまった。





「……おはようございます」


 皇の去っていく後ろ姿を、ジッと見ていた西城くん。
 私は聞こえるか聞こえないか位の小さな声で、挨拶をした。


 その声に気付いた西城くんは、すぐ私に視線を落とす。





 ――何だろ…。


 き、気まずいっ





「おはよ。如月」



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