ハチミツ×シュガー



「――え…」


 敵意ある、何人かの視線。


 目の前には、岬さん。

 喉が渇いて仕方ない。



「彼方とどんな関係なの?」



 ――皇……助け……


「お前に説明しなきゃいけない事かよ」



 声と同時に、西城くんは私の腕を引き寄せた。彼の言った一言に、岬さんは顔を強ばらせる。



「何で……何でその子なの…?

 ――相手が如月さんなんてっ 納得出来ない!」


 今にも泣きそうな、でも、私を睨みつける瞳は強くて。

 私はただ、言葉が出なかった。




「こんな女にっ!
 何で!?」



< 298 / 771 >

この作品をシェア

pagetop