ハチミツ×シュガー



「え……」


 西城くんの言葉に、岬さんは目を見開いて彼を見た。

 そんな岬さんに、彼はまだ続ける。



「お前なんか、どうでもいい。

 俺が欲しいと思ったのは、コイツだけだ。
 俺が求めたのは、如月だけ。

 如月以外の女なんか、どうでもいいんだよ」




 ――…な、んで……



「如月が俺を求めたんじゃない。俺がコイツを求めたんだ。

 文句があるなら俺に言え。
 影でコイツになんかしたら――」




「……西城くんっ…!」

ガコンッ



「女でも……容赦しないから」



 止める私を無視して。

 彼は目の前の机に思い切り振りかぶり、拳を当てた。




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