ハチミツ×シュガー



 私は椅子に座ってるせいで、逃げられない。
 ……なぜなら、西城くんは机に座り私を挟むように足を広げてるから。

 包み込まれるような形で座る私たち。

 机に座ってる分、彼が私に覆い被さるような姿になる。




「あ、の…」


 近いです…と言う前に、目と目を合わせたまま彼が私の唇にキスをしてきた。



「――んっ」
「……目、閉じるな」


 掠れた彼の声に、体が震える。

 閉じかけた目をゆっくりと開けると、彼の、細くなった目が私を捉えた。



 そのまま、何度も角度を変えてキスをする。



 私は、段々頭が朦朧としてきて……


 ――このまま意識飛んでしまいたい……



 そう、思った瞬間。



「ん、――っっ」




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