ハチミツ×シュガー



「真弓……私の友達でいてくれて、本当にありがとう…!」


 涙が出そうになるのを必死に堪え、笑顔で言った私の言葉に……真弓は照れてるようで。
『バカね』と言うと、お弁当箱を片付け始めた。

 そんな姿を見ながら不意に、外に視線を伸ばすと……学ランの生徒が手を上げてこちらに向かってくる。




「――楓!」


「……皇?」

「お弁当どうだった?」


 フワリと笑いながら私の頭を撫でてきた。



「うん、美味しかった!」


 私の言葉に皇は喜んでくれた。


 朝ご飯と一緒に、皇はお弁当も作ってくれていて。見た目も色とりどりで、すごく美味しい。



「いいなぁ!私も食べたい」

 真弓がニヤリと笑いながら言ってきた。


「いいよ。今度二人分作るよ」

 そのまま返事をされると思わなかった真弓は、顔を真っ赤にして黙ってしまった。


 ……皇、絶対わざとだよね。



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