ハチミツ×シュガー



「何か用だったんじゃないの?」


 お昼休みも後わずか。

 要件を聞いたら教室に戻らないと。



「ああ、そうだった。

 今日は帰り遅くなりそうだから、出来たら先に食べてて?」


 眉を下げながら申し訳無さそうに言う皇。

 ……一人で食べるのヤだな…。



「……ゆっくり作るから、待ってるよ」

「いいの?」

「うん。待ってるから帰る時に電話ちょうだい?」


『分かった』とまた私の頭を撫でる皇。



「あ…、そういえば」

 皇が何かを思い出したように、私の顔を覗き込んだ。


「体は大丈夫なのか?」

「ふぇ?」


 急に何を……


「先生から、具合悪くて1、2時間目に保健室で休んでたって聞いたけど?」



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