ハチミツ×シュガー
「……大丈夫か?」
眉を下げて、心配そうに聞いてきた斉藤くん。
「あらあら、私が居るから心配無用よ〜」
真弓が私を後ろから抱きしめながらおちゃらけてる。
「お前さぁ…」
斉藤くんも呆れながら、少し笑ってしまった。
「……ま、なんかあったらちゃんと言えよ」
そう言って、いつもの爽やかな笑顔で私の頭をポンと叩いた彼。
……私は幸せ者だね。
こんなにも、周りに恵まれてる。
斉藤くんは自分の席に座り、真弓も自分の席に戻ったので、私もそのまま席に着いて次の授業の準備をした。
「――楓」
後ろの真弓が私の背中を突っつく。
振り向くと、指で教卓の方を指さしていた。
ニヤニヤしながら。
イヤな予感がするけど……素直に教卓の方へ視線を向けたら――
予感、的中。
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