ハチミツ×シュガー




「あんたの旦那、かなりご立腹だね〜」



 真弓の声が、小さく聞こえる。

 教卓の前の席に、いつものメンバーで固まっていた西城くん。
 その中で、私を睨みつけるように見ていた。


 ……私、何かしたっけ?



 全然思い浮かばない。



「斉藤に頭撫でられたくらいでちっさい男だね〜」

 真弓の言葉で、やっと気づく。



『俺の独占欲ハンパないから。
 覚悟しといて』


 あ…あれって……




 ――気づいた瞬間。


 私は恥ずかしくて、嬉しくて。
 顔に熱が集中するのに気付いて、俯いた。



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