ハチミツ×シュガー



「えらいのに捕まっちゃったね」


 ケラケラ笑ってる真弓。

 ……全然笑えないんですけど。



「あ…」

 真弓の呟きと共に、俯いてる私の机に影が出来た。



「如月」


 ――どうしよっ


「……如月?」


 俯いてる私の顔を机の向こうでしゃがんで覗き込む西城くん。

 途端に目が合ってしまった。



「あ…の」

 私が何か言う前に、彼は急に立ち上がり、私の頭をぐりぐりと撫で回した。



「西城、くんっ」


 私の髪の毛ぐちゃぐちゃですけど。(泣)


 そのまま前屈みで近付いて、耳元で、

「――他の奴に触らせたお仕置き」


 ニヤリ笑って、すぐに仲間の元へ行ってしまった。



 ……西城くんは私を翻弄させるプロだ。



「やるね〜アイツ」


 一部始終見ていた真弓は苦笑してる。



< 316 / 771 >

この作品をシェア

pagetop