ハチミツ×シュガー




「楓!」


 廊下を二人歩いてると、皇が私を呼び止めた。

 今日はこれから生徒会の手伝いのはずだけど…。


「どうしたの?」

「……悪い。今日は一人で夕飯食べてくれないか?」


 ……もしかしたら、生徒会の人達とどこかに行くのかもしれない。


「……分かった。
 帰り遅くなるようなら電話ちょうだい?」


 ちょっと……いや、かなり寂しさが出てしまった。

 そんな私の表情に気付いた皇は、私の頭を優しく撫でて、

「ごめん。なるべく早く帰るから」

 眉を下げて申し訳無さそうに言う。



「……分かった」


 我が儘になってしまうから。

 安心させたくて笑い返すと、皇はそのまま生徒会室へ向かった。



< 318 / 771 >

この作品をシェア

pagetop