ハチミツ×シュガー



 皇がいなくなって振り返ると、西城くんが壁により掛かりながら私をジッと見ていた。


 廊下にはまだ人が居て、私達を見ながらヒソヒソ話してる。


「――ほら、……なのに……でさ」
「えっ それって……?!」



 ――やっぱり私達の事だよね。


 聞こえてないフリをして、西城くんの元へ一歩踏み出した時。


「じゃあ、西城くん騙されて「――シッ」


 話の内容が気になって、声に振り向いた。

 私に気付いた女の子達は、慌てていなくなってしまった。



 ――西城くんを騙す……?

 それって……私の事?



 詳しく聞きたいのに聞けない。


 私が去っていった女の子を目で追っていると


「行くぞ」

 西城くんの声が、後ろから聞こえた。




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