ハチミツ×シュガー
15




カチャ…


「ただいま」



「お帰り!
 やっぱり遅かったね」


 19時過ぎにやっと帰ってきた皇。
 リビングに入るなり、疲れた表情でワイシャツの首もとのボタンを外した。


「夏休み前に生徒総会やるし、色々面倒なんだ」

「ふふっ このままだと、また生徒会に入ることになりそうだね」


 クスクス笑いながら冷たい麦茶を出すと、「そうなんだよ」と、おっきな溜め息を吐いた。



「……あんな面倒なのやりたくないんだけどな」

 ソファーに座り苦笑いで麦茶を飲む。
 私はそのまま隣に座った。


「楓はご飯ちゃんと食べた?」

「うん。一人分だから簡単に作ったけど」


 私が笑顔で答えると、安心したのか小さく笑って、そのまま鞄を持ってリビングを後にした。



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