ハチミツ×シュガー




『楓、今日から皇と一緒に生活するのよ?』


『……ほんとにっ?』



 私は叔父さんと叔母さんが亡くなったんだというのを、きちんと理解出来てなくて……。

 大好きな皇と一緒に住める事が、ただ、ただ、嬉しくて……はしゃいでいた。





『こうちゃんっ
 これからはかえでのおへやのとなりがこうちゃんのおへやだからね!』


 皇がパパに連れられて来た時、嬉しくてずっと離れなかった。


 ……でも。

 皇は、いつものように笑ってくれなくて…。





『ママ…かえで、こうちゃんにきらわれちゃったのかな……』


 数日が経って、部屋に閉じこもり誰とも話そうとしない皇に、悲しくて。ママの膝に座りしがみつくように甘えると……


『――皇ちゃんはお母さんとお父さんに、二度と会えなくなってしまったの』


『今は悲しくて仕方ないのよ』と、ママまで泣きそうな顔で話すから…。

 私はママの頭を撫でてあげたの。


 ……皇がいつも私にしてくれるように…。



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