ハチミツ×シュガー



 言った後、すぐ自分の席に座り漫画を読み始めてしまった。



 ――もう、これ以上は無理だ……。



 真弓はデートだからと先に帰って行った。

 西城くんがウロウロしなければ、知られる心配はない。



「じゃあ、行ってくるね」


 私の言葉にこちらを見る事なく、手だけを軽く挙げる彼。

 私はそれを見て小さく息を吐くと、そのまま体育館に向かった。




 体育館までの道すがら、私一人だからか、悪意ある言葉が飛び交う。



「ブスがほんっとにムカつく!」
「……身体でも差し出してんじゃねーの?」

「彼方くんだまくらかしてさ」


「……近親相姦とかキモいんだよっ」








 ――な、に…?




 ……今の………


 …………何て………






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