ハチミツ×シュガー







「――遅かったね、如月さん」







 頭がガンガンと鳴り響く。


 気付いたら、体育館裏に着いていた。







「ちょっと、話があるんだけど」





 キレイに縁取られた彼女の瞳が、細く伸びて。

 グロスをたっぷり乗せた唇が、キラキラしてる。


 その姿に見合った、高い鈴のような声が私の耳を震わせる。






「……何かな?岬さん…」




 私の前では、岬さんを中心に左右二人ずつ、私を睨みつけていた。




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