ハチミツ×シュガー




 カタン…という小さな音で、真っ白い世界から現実に帰ってきた……。



 ゆっくり目を開けると

「楓…?」


 真弓が少し赤くなった目を潤ませて、私を見下ろしていた。




「ぁ……ま、ゆみ…?」



 ゆっくり視界を広げる。




「良かったぁ!

 どこか痛いとこない?大丈夫?!」


 涙が溢れ出る真弓を見て、小さく「大丈夫」と伝える。




 辺りを見渡すと、やっと分かってきた。

 ここは、保健室だ。



 肘をついて体を起こすと、窓際に真顔で私を見る西城くんがいた。


「楓ごめんっ!

 楓の様子がおかしかったから絶対何かあったんだと思って……
 隠れてついて行くつもりだったのにうまくいかなくてっ」


 涙をボロボロ流しながら謝る真弓。

 私はそんな真弓に申し訳なくて。



「違うよ…?私が勝手に「――そうだよな」





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