ハチミツ×シュガー



「ごめ…」


 泣いちゃダメ。


 私のした事が、結果、周りを傷つけたんだから。

 私が泣くのは間違ってる。


 俯いてギュッと布団を握る私の手を、真弓が優しく覆った。



「楓……何を言われたの?

 あいつら何もしてないって言うし、確かに楓は無傷だった。
 楓を呼び出してあいつら何を言ったの?」




 ――蘇る、記憶。



「…楓?」


 カタカタと小さく震える私の肩に優しく手を乗せて、顔を覗き込んでくる。

 私はその瞳を見れない。




『あなた達の事、彼方が知ったらどうなるのかな?』




 ――私と皇の関係。


 私のせいで皇にまで……。



『……忠告。

 彼方と離れて。

 じゃないと……皇くんとあなたの関係を知られちゃうかもしれない。

 そしたら、皇くんも困るんじゃない?』



 ……どうしたらいい?

 私の想いのせいで、皇に……!



「――皇…っ」


 助けて……!



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