ハチミツ×シュガー



「――その様子だと……西城とちゃんと話出来たんだな」

「ぶっ」


 ダイニングテーブルで二人、向かい合ってご飯を食べてる時。

 不意に、皇がニヤリと笑って私に言うから……吹き出しちゃったじゃない。



「汚いな」



 呆れながら言うけど。
 誰のせいだとっ


「でも……良かったな」


 ホッとした笑顔の皇に、心配してくれていたのだと、嬉しくなって。でも、恥ずかしくて。

 俯いて、小さく返事をした。





 二人で黙々と食べ進める食事。


 私は少し軽くなった気持ちのまま……その裏にある、黒く渦巻いた気持ちに蓋をした。



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