ハチミツ×シュガー



 手元の携帯から目線を隣に移すと……


 真顔の、西城くん。




「片割れか?」


 少しして頷くと、また腕を枕にして寝る体制に入った。

 私は返信を終えて、また本を読み始める。




「…ムカつく」



 彼の小さな呟きは、聞こえない。








「如月さん?」



 声に、顔を上げると……


「三田先輩…!」


 黒髪をツンツンに立てて、にっこり笑ってる生徒会長が私を見下ろしてる。



「噂通り『仮面王子』とつき合ってたんだ?」



 ……『仮面王子』?


「ははっ 楓ちゃん知らないの?彼の通り名」


 私が頭を傾げてると、先輩は私の前に座り、クスクス笑った。



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