ハチミツ×シュガー



「――楓!」


「こ…う?」



 私の目の前には、皇。

 待ってるうちに眠ってしまったみたい。



「うなされてた……。
 大丈夫か?」


 額に手をあてて心配そうに覗き込む皇に、私は悟られないように笑顔で大丈夫と伝えた。






「今日先輩に会ったんだって?」


 西京焼きをほうばりながら、皇がクスクス笑ってる。


「そうなの。図書室に来たんだけど……何しに来たんだか」

 大きな溜め息を吐いた私に、皇は苦笑い。


「楓の“彼氏”に興味があったんだってさ」

「……だから西城くんを知ってたのね?」



 二人笑って話せてる。

 ……良かった。


 今なら話せる気がする。



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