ハチミツ×シュガー


カチャ
「おはようっ」


 慌ててリビングの扉を開けると、テーブルにはすでに朝食が並んでいて、お味噌汁の香りが鼻をくすぐる。
 皇はすでに食べ終わったようで、お茶を飲んていた。


 私は指定席に座り

「いただきます」

 皇の作ってくれた朝食を食べ始めた。



 皇は自分の食器を流しに置き、そのままリビングを出て行く。

 私は一人でモソモソと食べていると、制服に着替えた皇が戻ってきた。


 はぁ〜。やっぱり身内のひいきめ関係無く、皇は格好いいな。


 サラサラの黒髪に、髪と同じ色の切れ長の瞳。鼻筋は綺麗に通っていて、薄紅の薄い唇。
 教室に入ると付けるメガネをしたら、完璧。



 私の視線に気付かない皇は、カバンをソファーに乗せ、静かに時計を見た。

 私が気にせずご飯を食べ始めると……



「…もう8時20分だぞ」



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