ハチミツ×シュガー



 どのくらいの時間だろう。




 しばらくそのままでいると、カウンターから人が立つ音がした。




「あっ…!」


 私は自分の置かれてる状況に気づき、慌てて体をよじる。



 すると、思ったよりもすんなり手が離れた。








「誰か残ってますか?」



 図書委員の人がこちらに近付いて来る。



「は、はいっ」




 本を棚にすぐ仕舞い、席へと戻りながら後ろを一瞬、振り返った。





 でも……。



 そこにはすでに誰もいなかった。




< 40 / 771 >

この作品をシェア

pagetop