ハチミツ×シュガー





 ああ……。


 やっぱり私は、彼を傷つけるだけだった。





「……っ…ご、めん…っ」



 私が彼の傍にいたら、いけない。




「西城、くん…っ

 好きになって…ごめん――っ」





 そう言った私を


 彼は力一杯抱き締めて…






「――さよなら…」




 耳元でか細く、震える彼の声。


 私が目を見開いた瞬間……




 彼の温もりが消えた。



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