ハチミツ×シュガー



 最後の皇の一言に、田村くんは噴き出した。


「あっはっは
 皇!どうせならその毒舌で周りの奴ら黙らせろよっ」


 ……どうやら田村くんは皇の鬼畜ぶりを知ってるみたい。


「やだよ、めんどくさい」と隣の田村くんを流し目で見る皇。

 こんなに皇が素でいられる友達はそうはいない。

 私は何だか自分の事のように嬉しかった。




「じゃ、次回は来週だな。
 またよろしくな!」


 斉藤くんの家から少し歩くと、大通りに出る。
 田村くん達はみんな一緒の方向で、私達とは逆方向だからここで別れる。



「またね!」


 私は笑顔でみんなに手を振った。

 隣の皇は片手を軽く上げて先を歩く。




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