ハチミツ×シュガー



「――楽しかったか?」


 先を歩いてた皇が振り向き、私に聞いてきた。

 一瞬何の事だか分からなかったけど、きっと、みんなとの勉強会の事だと気付き、私は笑顔で頷いた。


「ありがとう。すごく楽しかったかよ!
 皇の友達みんな良い人だね」

「そっか……なら、良かった」


 私が皇に追いつくと、優しい顔で私の頭を撫でた。





「――田村と下川 亜衣は1年から同じクラスだったんだ。
 下川はサッパリしてたから、田村と一緒になる事が多くて。気づけば、しょっちゅう3人でいた。
 2年になるとあの2人と仲良い藤井 洋子も一緒になって……そしたら仲良くなってた」


 皇が自分の友達の事を話すなんて珍しい。

 私達は近くのカフェで休憩しながらいつもとは違う、学校の話をしてた。



「まさか斉藤があいつらと同じ中学だとは思わなかったけど。
 ……でも、良い奴らだよな」


 フッと笑った皇。

 なぜか色気だだ漏れで、向かい合ってる私は恥ずかしくなってしまった。



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