ハチミツ×シュガー




「……楓」



 皇が私を呼ぶ。……けど。


 聞こえないフリをしてしまった。

 皇も気づいたのか、それ以上私を呼ばない。







 そのまま家につき、お互い話さないで夜を迎えた。






ブィー…ブィー…ン


 部屋のベットで横になってると、携帯が震える。

 携帯を取り開いてみると、メールが一通届いてた。



 flom 斉藤 健太くん
 ―――――――――――
 映画行くの今週の土曜日
 で大丈夫か?





 ――…斉藤くん……



 私は迷いながら……それでも、「大丈夫」と返事を打つ。






「……西城くん…」


 呟いた言葉は、誰の耳にも届かない。



 ……彼の耳にも。



< 436 / 771 >

この作品をシェア

pagetop