ハチミツ×シュガー



「――西城は……」


 予想だにしなかった名前が出てきて、ビクッと反応してしまった。


 ……けど。



「――やっぱり、何でもない」

 私の反応を見てしまったからか、そう言って立ち上がると、私を置いてリビングを出て行ってしまった。





「はぁ…」


 皇がいなくなったリビングで、深く息を吐く。


 ……気を使わせてるよね。絶対。




 あの日……西城くんとさよならした日に、皇は黙って私をベットに入れてくれた。


 初めて自分から皇のベットに入った。



 皇はそれから私に何も聞かない。


 終業式の日も、私と西城くんが一緒にいなかったことが噂になってたけど……真弓も皇も、何も聞かないでくれた。



 ――それに甘えてる私は……ズルいよね。



 本当に、嫌になる。



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